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2012年06月13日

三段階の建設期

いつも読んでいただきありがとうございます!




今日は桜井正光(リコー会長)さんのお話。
      

(『致知』2008年3月号 特集「楽天知命」より)



 向こう(イギリス)にいた時に、


 これは日本とは違うなと実感する場面に出くわすたびに、


 その出来事を二百ページくらいの分厚い手帳に


 メモしておいたんです。


 
 そして社長になって自分のホームページに


 「世界の中の日本」というページを設けて、


 それを順番に紹介したんです。



 その中に、「駐在員の三段階」というのがあります。



 最初の段階は語学もそんなに流暢ではなくて、


 表現力もヒアリング能力もあまりないから、


 誰もが相手の話を真剣に聞くんです。


 
 先方も日本人のことをあまり知りませんから同じで、


 お互いにそうやって非常に


 いいコミュニケーションが取れるんですね。


 ところが、いくらコミュニケーションを取っても、


 リコーでいうと厚木工場の生産性や品質レベルを


 上回るものにはならない。

 
 「いったいどうなってるんだ」


 とお互いに相手のせいにし始めるのが第二段階です。




 イギリス人というのは出勤率が九十%で、


 だいたい十人に一人はいつも来ないんです。


 それでこちらが

 
 
 「出勤率が悪いからダメなんだ」
 
 
 と言えば、彼らは
 
 
 「日本人はいつも昼間に仕事をしないで、


  残業や休日出勤で仕事をする。


  我々と一緒になってやってくれない」
 

 
 と言い返す。お互いに批判し合うんです。


 だけどこの批判の時代が案外大事で、


 これをやっていると、お互いにいくら批判し合っても


 何も生まれないことが分かってくる。
 


 現実を受け入れ、どうすべきかを考え始める。


 
 ここは厚木ではなくイギリスなんだと。

 
 ここでいかに品質を上げ、生産性を上げるかということで、


 出勤率九十%でも生産性が落ちない方法を考え


 始めるわけです。

 

 これが第三段階なんです。

 

 経験からすると、一段階、二段階がそれぞれに約一年半。

 
 三年くらいしてようやく建設的、改革的な


 関係を築けるんです。
 


 だから、駐在員を二段階の誹謗中傷の時代に
 

 日本に戻してしまうと、外国に対して
  
 
 非常に悪い印象を持って戻ってくるからよくない。
 
 
 三段階の建設期までいって戻すのが一番いいですね。


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